子どもの頃は櫓(やぐら)を囲んでの盆おどりをみたことがなく、お盆と言えば、阿波踊りでした。
といっても徳島には阿波踊りしかないわけではなく、地方地方にはまだまだいろいろなお祭りや踊りが残っているようです。
阿波踊りのぞめきに心浮き立たせながらも、ちょっと他の踊りも見てみたいなと、西祖谷地方の神代踊りを見てきました。
初心者マークをつけて祖谷地方に向かい、途中、大歩危のラフティングに後ろ髪をひかれながらも、山間の道を奥へと進みます。
神代踊りは、善徳天満宮に奉納されるとのことで、この辺りかな〜と思う場所で道を聞くと、この先の商店脇の山道を上に4kmくらい走ったところとのこと。
予想以上に急峻な山道をひやひやしながら登って行くと、4〜5kmあがったところにようやく天満宮の駐車場らしき場所が見えてきました。
ちょうど午後の奉納が始まるところで、神社の境内の一段下がった広場でこじんまりと踊りが始まりました。
紫の着物に花笠を被った女性陣が扇を手に、ゆったりとしたリズムで踊ります。
リズムを打つのは、巨大な太鼓!
これまであちこちのお祭りや踊りを見てきましたが、こんなに大きな太鼓を見るのは初めて。
今は、県道から入る山道も車が入れるようになり、車で運んでくるのだそうですが、車道のなかった昔は、下から歩いて運んで来たんだそう。
ホラ貝の音に先導されて、男性陣が様々な出で立ちで出てきました。
背中に巨大なわらじを背負った人。
健脚祈願でしょうか?
天狗に、翁のようなお面を被った人に獅子、続いて棒を持った小学生くらいの男の子たち。
きっと年とともに踊れる役柄が変わっていくのでしょう。
一通りの奉納が終わると、最後は見ている人も参加しての時間。以前踊っていたOBが加わって、静かに踊りは続いて行くようでした。
神代踊りは雨乞いの踊りとのことで、終わった後に雨が降るかもしれないと、少し早めに会場を後にしました。
そして国道に出る頃、ポツリポツリと雨が降り始め、電光掲示板には三好市大雨注意報の文字が。
雨乞いの効果に驚きつつ、あの急峻な山道を、祭り装束の老若男女が列をなして登って行く光景を思い浮かべながら岐路に着きました。
小さな集落の小さなお祭り。
一緒に踊ることはできなかったけれど、部外者が部外者であることにほっとしました。
神代踊り
(くみ)